今日は入院後49日。仏教的には「四十九日（しじゅうくにち）」、すなわち魂があの世へと旅立つ節目の日である。人の死を見送る儀式の日が、まさか自分の「闘病の節目」として巡ってくるとは皮肉であり、同時に不思議な縁でもある。 病室の窓から射し込む秋の光が、まるで「忌明け」を祝うかのように柔らかく、今日の文化の日を象徴している。世の中は祝日で賑わっているが、私にとってはこの49日こそ「生の文化祭」である。53日間という最長不倒の入院記録を目前に、いよいよあと4日で退院の見通しが立った。まるで長い修行の旅が終わり、現世に戻る通行手形を手にしたような気分である。 振り返れば、この闘病生活は単なる痛みとの戦いではなかった。眠れぬ夜に思索を重ね、人間の弱さと強さを見つめた日々であった。人の支え、医師の手、そして心の中の小さな希望が、どれほどの力を与えてくれたことか。病院という小宇宙で、私は再び「生きることの意味」を学んだのだ。 今日が文化の日というのも、妙に象徴的である。文化とは、人が苦しみや困難を超えて生み出す知恵と美の結晶である。私の49日も、まさに「生の文化」を育む時間であったのだと思う。 生きる